空色の地図 ~ロンドン編~11 アフタヌーンティー 久路

 黄金色のスコーンを手にした瞬間、その繊細な軽さに思わず友人と顔を見合わせた。しっとりとした温かさを確かめつつ、手元の皿で二つに割る。ふわり、たちのぼる小麦の香りに、いやが上にも期待は膨らんだ。  それまで何度かロンドン...