空色の地図 ~台湾編~2 地下鉄 久路
足下でランプが青く光る。その明滅するイルミネーションさながらの美しい光に誘われるように、列車が到着した。ホームに滑り込んできた車体の電光掲示板には漢字と英語で行き先が表示され、開いたドアから吐き出された人たちは、一斉に...
足下でランプが青く光る。その明滅するイルミネーションさながらの美しい光に誘われるように、列車が到着した。ホームに滑り込んできた車体の電光掲示板には漢字と英語で行き先が表示され、開いたドアから吐き出された人たちは、一斉に...
世界で初めての地下鉄が運営された頃、日本はまだ江戸時代だった。新撰組が結成された年だ、と書けば、ロンドンの地下鉄の歴史を少しは感じてもらえるだろうか。 いや、そんなことを知らなくても、実際に乗ってみればいい。 ロン...
夜明け前の街にぽつぽつとあかりが灯っている。それを頼りにホテルの裏道を行けば、むわんとした蒸気に乗って、ほのかに甘いような香りが漂ってきた。朝ご飯専門店が、いっせいに仕込みを始めているのだ。 前日から水に浸してふやか...
ある英国紳士がテレビで言った。「焼いたトーストはこうして立てておくんだ。熱い時にバターを塗ったりしてはいけない。溶けたバターがトーストを台無しにしてしまうからね」 ほほう、それでロンドンで出されるトーストはどれも薄く...