【出版社物語】伽鹿舎:本恋う鹿は笛に寄る 第7回
可能性と現実の話 レーモン・ルーセルの「アフリカの印象」を抄訳とはいえ新訳で、と打診するに当たって、まずは誰か翻訳者を紹介して欲しい、と思って高橋啓先生に話を振った。 高橋先生はご自分への依頼と思われたようだ。即...
可能性と現実の話 レーモン・ルーセルの「アフリカの印象」を抄訳とはいえ新訳で、と打診するに当たって、まずは誰か翻訳者を紹介して欲しい、と思って高橋啓先生に話を振った。 高橋先生はご自分への依頼と思われたようだ。即...
『クラフトブック』をやりたいんだ―― この度の大きな地震に際し、たくさんの励ましの言葉、ねぎらいと応援をいただきました。 ここに厚くお礼申し上げます。 徐々に日常を取り戻しつつある地域がある一方、未だ非日常の真...
沖縄を僅か南西へ下った場所に位置する台湾の夏は、暑い。それはもう、容赦なく暑い。陽の高いあいだは、日傘やサングラス無しに歩くのは無謀とも言うべきで、とりわけ暑さに弱い私などは、冷房の効いた店から漏れ出る涼風を僅かでも浴...
第8回 未知との遭遇 前回の投稿日を見直すと[tcy]12[/tcy]月5日となっているので、3カ月近くこの連載をさぼっていたことになります。そこで、今回は読者サービス? のつもりで少し脱線して、筆を滑らせてみよう...
私たちは、ここにいます。 お待たせいたしました! 九州限定の、中身は何一つ制限のない文藝誌「片隅」の第二号が出来上がりました。 九州の本屋さんからしか手に入れられない、とびきりの贈り物。どうぞ、あなたのお...
金曜日の夜ということもあり、オックスフォードストリートに面したそのパブは、ビールや食事を楽しむ人で混雑していた。ぐるり店内を見渡し幸運にも空いていたテーブルを確保し、カウンターへと注文に向かう。 カウンターは既に注文...
車が着いたのは、坂の上だった。待ち合わせの時間を確認し、車を降りる。晴天。見晴らしも良いし、何より台北市内よりいくらか涼しいのが有り難い。 九份は台湾北部の山あいにある小さな町だ。台北から車で一時間と少し。山道をくね...
伽鹿はどんな本が出せるのか? 本を書店に並べてもらうためには、直接取引をするか、間に取次に入ってもらうのが普通だ。 さて、伽鹿舎でどうするか、と考えたとき、直接取引は難しそうだった。何しろ誰も昼間に動くことが出来...
来る2016年3月19日からの三日間、「幸福はどこにある」刊行記念イベントの開催が決定しました! 「幸福はどこにある」はサイモン・ペッグ主演映画「しあわせはどこにある」の原作本でもあります。 2015年のお気に入...
黄金色のスコーンを手にした瞬間、その繊細な軽さに思わず友人と顔を見合わせた。しっとりとした温かさを確かめつつ、手元の皿で二つに割る。ふわり、たちのぼる小麦の香りに、いやが上にも期待は膨らんだ。 それまで何度かロンドン...